コラム|広島市安佐南区西原で歯科をお探しの方は西原ひだまり歯科まで

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下の奥歯を1本失った場合の考え方【いただいた質問に対する回答】【予防歯科】【歯周病】

「下の一番奥の歯(親知らずではない)を一本抜いてそのままに採りうるのですが、どのような治療が考えられますか?」

という質問を知人より頂きました。

実際にお口の中を拝見したわけではないのですが、一般的に考えられる(私の頭の中で考える)今の状況と、今後採りうる選択肢について考察していきます。

1.今の状況

下の一番奥の歯を抜いた場合、下図のような状況の可能性が高いと推測します。

数字は前歯から数えた順番 青丸は噛み合わせの位置を示します

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一般的に奥歯(臼歯)は下の方がやや前にあり、1本の歯に対して2本の歯が当たっていることが多いです。

この前提に照らして考えると下の奥歯(7)がない場合には上の奥歯(7)が完全にフリーになっていることがわかります。

歯並びというものは、基本的に上下・前後に触れ合ってバランスをとっていることが多いため上の奥歯(7)は非常にバランスを取りにくくなっています。

もちろんこれは一般論で、人によっては下の奥から二番目(6)と上の奥歯(7)がかみ合っている場合もあります・・・・・頻度は低いですが。

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2.放置しておくことで予想される状況

質問を頂いた方は下の奥歯を失って一年そのままにしているとのことでした。

一番奥の歯一本を失った場合は食事に凄く困るか・・・と言われると、実はそれほどでもないようです。

過去の研究によると咀嚼などに最も影響力が強いのは奥から2番目(6)と言われており、私の体感としても一番後ろ(7)がないだけでは普段の生活に大きな支障を感じている方は少ないように思えます。

それだけに放置になっている方も割と見かける印象があります。

しかし前述したように噛み合わせのバランスは上下かみ合って取っているので、相手の歯がいないことで上の歯が動いて(飛び出して)くる可能性が非常に高くなります。

相手がいない(かみ合っていない)歯は動く可能性が高い
一番奥の歯が飛び出しています

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図を見ていただけたらおわかりかと思いますが、この場合歯が飛び出してくる方向に動きます。

上の歯が飛び出すということは歯を支えている骨や歯ぐきから飛び出して来るということであり、

歯ブラシはかけにくくなり、虫歯や歯周病に対して弱くなっていきます。

また飛び出し(専門的には挺出(ていしゅつ)と言います)が進んできた場合、下の歯ぐきにあたって傷つける場合もあります。

結果的に口腔内に悪影響を及ぼす可能性があるため、治療の提案をすることが多いです。

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3.考えられる治療

上の奥歯が飛び出して来るのを防ぐための治療としては大きく分けて二つのバリエーションがあります。

一つは下の歯がなくなったところに別の形で歯を入れる方法、もう一つは上の歯を固定することで動かなくしてしまう方法です。

Aの位置で固定するか、Bの位置に歯を入れるか

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どの方法が一番優れている・・・ということではなく、個人個人のお口の中の状態のより最適解は変わってきます。

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4.上の歯を連結する方法

 Aの方法としてよく選択されるのが、右上の奥歯2本を銀歯等で連結する方法です。

 デメリットは上の奥歯が虫歯もない健康な歯の場合、健康な歯を削らないといけないことです。

 また連結することによりフロス(糸楊枝)が通らなくなるため、歯垢をためやすくなってしまいます。(清掃のため歯間ブラシが必要になります)

 もちろん上の奥歯が既に治療済みの歯の場合はデメリットが少なくなります。

連結した銀歯の一例

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5.下に歯を入れる方法

下に歯を入れる場合、選択肢が3つあります。

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1.ブリッジ(連結の銀歯)

 3連結の歯を作る方法です。

 5と6を削らないといけないのが大きな問題となります。

 清掃も歯間ブラシが必要となり、やや煩雑になります。

 これも上の治療と同様に5や6が既に削ってある歯の場合は問題が小さくなります。

ブリッジの模式図です。奥歯に噛み合わせができています

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2.入れ歯

 入れ歯を入れて噛み合わせを作る方法です。

 入れ歯に抵抗がある方が多いことや、金具などによる違和感があることが問題となります。

 そして、奥歯1本だけの入れ歯を作ってすごく噛めるようになるかと言えば・・・違和感の方が気になって使わなくなる方も多い印象があります。

 (噛めるようになる実感より、違和感の方を強く感じることが多い)

 他の部分に入れ歯があれば一体化する等の方法もあります。

奥歯のためだけに入れ歯を作ると、黄色い部分に金具が必要です。

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3.インプラント

 外科手術によってネジ状の構造物を骨に埋め、歯根の代わりにする治療法です。

 他の歯を触らなくて済む、違和感が少ない、しっかり噛める等、他の方法の弱点をカバーできます。

 半面、骨の状態が良くないといけない、健康保険適用外のため費用が高額、治療期間が長くなる等のデメリットも勘案する必要があります。

インプラントはクリアすべき条件も多いが、メリットも大きい

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6.まとめ

 人によって条件が違うため最適な方法はわからないというのが実際のところです。

 どの方法もコストやリスクは伴うため、しっかりと診査・検討していきましょう。

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