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TCHが引き起こす歯や顎の痛み、そのメカニズムとは?

TCH(歯列接触癖)とは、食いしばりや歯ぎしりと異なり、上下の歯が持続的に接触する癖のことです。TCHがあると無意識に歯が接触し続け、その結果歯や顎に負担がかかり、痛みを引き起こす原因になります。今回は、TCHがどのように歯や顎の痛みに繋がるのか、そのメカニズムについてご紹介します。

〇TCHと顎関節への影響

TCHが原因で顎に痛みが生じる理由として、まず考えられるのが顎関節にかかる負担です。顎関節は開閉や横方向の動きなど、さまざまな動作を支えるために非常に複雑な構造を持っています。TCHによって歯が常に接触していると顎関節に負荷がかかり続け、関節の疲労や筋肉の緊張を招きます。これが進行することで顎関節に違和感や痛みが生じ、場合によっては「顎関節症」と呼ばれる状態に発展することがあります。

顎関節症は、口を開ける際にカクカクと音が鳴ったり、開口制限が生じたりすることが特徴です。TCHによる負担が長期間続くと、顎の関節部分に炎症が起きたり軟骨の摩耗が進んだりすることがあり、これが慢性的な痛みや可動域の制限に繋がります。

〇顎周りの筋肉の緊張や痛み

TCHは、顎の周りの筋肉にも大きな影響を及ぼします。歯が常に接触している状態が続くと、顎を支える咬筋や側頭筋、さらに首や肩周辺の筋肉が緊張状態になります。本来であればこれらの筋肉も休む時間が必要ですが、TCHにより筋肉が長時間使われ続けると次第に疲労が蓄積し、筋肉痛やこりを引き起こします。

特に側頭筋や咬筋の過緊張は、頭痛の原因になることもあります。これらの筋肉は頭部と顎を繋いでいるため、TCHによる筋緊張が続くと頭部にも痛みが広がることがあり、側頭部の鈍い痛みや緊張性頭痛の原因にもなりえます。さらに、この筋肉の緊張は肩や首まで広がり、肩こりや首のこりといった症状も引き起こしやすくなります。

〇歯や歯周組織への負荷による痛み

TCHが長期間続くと、歯や歯周組織に大きな負荷がかかります。特に歯の根元部分の組織が疲労し、歯の揺れや痛みの原因となることがあります。歯は強い力をかけるために作られているわけではないため、TCHによる持続的な圧力に耐えきれず、歯の根本が痛む場合があるのです。

また、歯を支える歯根膜と呼ばれる組織にも負担がかかります。歯根膜はクッションのような役割を果たし、適度な力であれば歯への負担を和らげますが、TCHがあると常に歯根膜が圧迫され続けます。この圧迫によって歯根膜が炎症を起こし、歯自体が痛みを感じることがあります。

〇神経系への影響と痛みの慢性化

TCHが続くことで、顎や歯周りの神経にも影響を及ぼすことがあります。持続的な刺激が神経に伝わると、次第に神経が過敏になる「中枢感作」という状態が引き起こされることがあります。この中枢感作により、通常なら痛みを感じないような弱い刺激でも痛みとして感じやすくなる場合があり、慢性的な痛みを生じさせる一因となります。

特に顎や歯周りの神経は敏感なため、過剰な刺激が加わると痛みが持続しやすく、治療が難しい「慢性痛」へと発展することもあります。この状態になると軽度なTCHの刺激でも痛みが引き起こされるようになり、日常生活にも支障をきたす可能性が高まります。

〇まとめ

TCHは顎関節や筋肉、歯周組織、神経系にまで影響を及ぼし、歯や顎の痛みを引き起こす原因となります。無意識に行われる習慣であるため自覚しにくい点が特徴ですが、顎の違和感や筋肉のこりが気になったらTCHの可能性を疑い、適切な対処を取ることが重要です。

症状が続くようであれば西原ひだまり歯科までお気軽にご相談ください。

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