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日常生活の中で無意識に上下の歯を接触させている状態、いわゆるTCH(歯列接触癖)は、顎や歯、筋肉にさまざまな悪影響を与えます。TCHは日々の意識改革や適切なケアを通じて改善が可能です。今回は、TCHを改善するための具体的な生活習慣とマッサージ法について詳しく解説します。

〇TCHを改善するための生活習慣
TCHは無意識に行ってしまう癖であるため、日常生活での意識改革が重要です。以下の生活習慣を取り入れてみましょう。
1. 歯を離してリラックス
TCHを改善する基本的なポイントは、上下の歯を接触させないように意識することです。自然な口の状態では、歯と歯の間には隙間があり、舌が軽く上顎に触れているのが理想的です。「歯は離れているのが当たり前」という意識を持ち、リラックスした状態を心がけましょう。
2. 姿勢を正す
猫背や前かがみなど、悪い姿勢は顎や首周りの筋肉に負担をかけ、TCHを誘発する要因になります。デスクワーク時には、椅子に深く座り背筋を伸ばすことを意識し、頭が前に突き出ないように気をつけましょう。また、高さが合った机や椅子を使うことで、より良い姿勢を維持しやすくなります。
3. 適度な休憩を取る
長時間同じ姿勢で作業を続けると、筋肉が緊張しやすくなります。1~2時間おきに休憩を取り、軽く体を動かすことでリフレッシュしましょう。この習慣はTCHだけでなく、肩こりや頭痛の予防にも役立ちます。
4. ストレス管理を徹底する
ストレスはTCHの大きな原因の1つです。日常的にストレスを感じやすい方は、リラックスできる時間を意識的に作りましょう。深呼吸や趣味に没頭する時間を取り入れることで、心と体の緊張をほぐすことができます。また、睡眠の質を向上させることも、ストレス軽減に効果的です。
5. 「接触チェック」の習慣化
スマートフォンのアラームやメモを活用して、定期的に歯の接触状態をチェックする習慣をつけましょう。意識的に「歯を離す」時間を作ることで、無意識の癖を改善しやすくなります。
〇TCH改善に効果的なマッサージ法
TCHによって緊張している顎や顔周りの筋肉をほぐすために、セルフマッサージを取り入れるのも有効です。以下の方法を試してみましょう。
・咬筋のマッサージ
咬筋(こうきん)は、奥歯を噛み締めたときに動く筋肉です。この筋肉が緊張すると、顎や歯への負担が増加します。
- 耳の下から頬のあたりを指で軽く触れ、奥歯を噛み締めて咬筋の位置を確認します。
- 咬筋に触れたら、指の腹で円を描くようにやさしくマッサージします。
- 片側を1~2分程度行ったら、反対側も同じようにほぐします。
・側頭筋のマッサージ
側頭筋(そくとうきん)は、こめかみ付近に位置する筋肉で、咬筋と同様に噛む動作に関与しています。
- こめかみの位置に指を置き、軽く押しながら円を描くようにマッサージします。
- やや強めの圧で心地よさを感じる程度に行い、左右それぞれ1~2分程度続けます。
・顎関節のマッサージ
顎関節周りをほぐすことで、TCHによる顎の負担を軽減できます。
- 耳のすぐ前にある顎関節に指を当て、軽く押しながら小さな円を描きます。
- 痛みが出ない程度にやさしく行い、1分程度を目安にマッサージします。
・首と肩のストレッチ
顎だけでなく、首や肩の筋肉も緊張していることが多いので、ストレッチで全体をほぐしましょう。
- 首を左右にゆっくり傾け、気持ちよく伸びる位置で10~15秒キープします。
- 首を回すストレッチも取り入れると、全体的な緊張緩和に役立ちます。
〇まとめ
TCH(歯列接触癖)は放置すると歯や顎、筋肉に深刻な影響を及ぼす可能性がありますが、日々の生活習慣やセルフケアを通じて改善することができます。歯を離す意識を持つことや、適切な姿勢、ストレス管理を取り入れることで、無意識の癖を少しずつ減らしていきましょう。
気になる症状が続くようであれば西原ひだまり歯科までお気軽にご相談ください。
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