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TCH(歯列接触癖)と顎関節症はどちらも口腔内や顎の不調を引き起こす可能性がありますが、それぞれの原因や症状、治療法には明確な違いがあります。今回は、TCHと顎関節症の違いを解説し、それぞれの特徴と治療アプローチについて詳しく紹介します。

〇TCH(歯列接触癖)とは?
TCHとは、歯が意図せずに長時間接触している状態です。日常生活の中で無意識に上下の歯を接触させていることが多く、食事や会話とは関係のない時間帯に発生します。TCHはストレスや緊張、集中している時に起こりやすく、特に寝ている間に顎を強くかみしめていることが多い傾向にあります。
〇顎関節症とは?
顎関節症は、顎の関節やその周囲の筋肉に異常が生じ、痛みや動きに制限を引き起こす状態です。この病気は顎関節そのもの、または顎周辺の筋肉に問題が発生している場合に起こります。顎関節症はTCHに比べて症状がより広範囲で、顎の動きに支障をきたすことが多くあります。
〇顎関節症の主な症状
・顎の痛み
顎関節周辺や耳の前、首や肩に痛みを感じることがあります。
・顎の雑音
顎を開けたり閉じたりすると、カチカチ音やポキポキ音がすることがあります。
・顎の動きの制限
顎が固まったり開きにくくなることがあり、食事や会話の際に困難を感じます。
・頭痛や耳鳴り
顎関節の不具合が、周囲の筋肉に影響を与え、頭痛や耳鳴りを引き起こすことがあります。
〇顎関節症の治療アプローチ
顎関節症の治療は、その原因や症状の程度に応じて異なりますが、一般的には以下の方法が用いられます。
・ナイトガードやスプリント
顎の過剰な力を軽減するために、ナイトガードやスプリントを使用することがあります。これにより、歯や顎関節への負担を減らします。
・物理療法
顎関節症の症状を軽減するために、物理療法や温熱療法、マッサージなどが行われることがあります。これにより、筋肉の緊張を和らげ、関節の可動域を改善します。
・薬物療法
痛みや炎症を軽減するために、鎮痛剤や抗炎症薬が処方されることがあります。
〇TCHと顎関節症の違い
TCHと顎関節症はどちらも顎や口腔に関連する不調を引き起こす症状ですが、いくつかの違いがあります。
・原因
TCHは無意識的な歯の接触が原因であり、顎関節症は顎関節やその周囲の筋肉に異常が発生することが原因です。
・症状の範囲
TCHは主に歯の摩耗や顎の筋肉の緊張が症状として現れますが、顎関節症は顎の動きの制限や雑音、痛みなどのより広範囲にわたる症状を伴います。
・治療法
TCHはストレス管理やナイトガードの使用、筋肉のリラクゼーションが中心となりますが、顎関節症は物理療法や薬物療法、場合によっては手術が必要になることがあります。
〇まとめ
TCHと顎関節症はどちらも顎や口腔に関わる問題ですが、その原因や症状、治療アプローチは異なります。TCHは歯を無意識に接触させる習慣によって引き起こされることが多く、顎関節症は顎関節や周囲の筋肉に異常が生じることから発症します。それぞれの問題に対して適切な治療方法を選ぶことが重要です。顎の不調を感じる場合は早期に歯科医師に相談し、適切な治療を受けましょう。
気になる症状が続くようであれば西原ひだまり歯科までお気軽にご相談ください。
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