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いびきが危険信号?歯科から見る睡眠時無呼吸症候群
「ただのいびき」と思っていたら、実は体に大きな負担をかける病気のサインかもしれません。睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が一時的に止まることで全身の健康に悪影響を及ぼす疾患です。今回は、睡眠時無呼吸症候群の症状や原因、いびきとの関係、歯科医院でできる治療方法について解説します。

〇睡眠時無呼吸症候群とは?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が10秒以上停止する状態が何度も繰り返される疾患です。主なタイプには以下の2種類があります。
・閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)
気道が物理的にふさがれることで起こるタイプで、肥満や顎の形状が影響します。
・中枢性睡眠時無呼吸(CSA)
脳からの呼吸指令が正常に伝わらないことで起こるタイプです。特に、OSAは日本人に多く見られ、歯科的なアプローチで治療できる場合があります。
〇いびきと睡眠時無呼吸症候群の関係
いびきは、気道が狭くなった結果、空気が通る際に振動して発生する音です。いびきをかく人の中には、睡眠時無呼吸症候群を発症しているケースが多くあります。以下のようないびきは、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあるかもしれません。
・音が大きく、断続的に途切れる
・窒息するような息苦しさを伴う
・家族から「息が止まっている」と指摘される
いびきをかくだけでは必ずしも睡眠時無呼吸症候群とは限りませんが、頻繁に大きないびきをかく場合には、注意が必要です。
〇睡眠時無呼吸症候群の症状
睡眠時無呼吸症候群の代表的な症状には、以下のようなものがあります。
・日中の強い眠気や倦怠感
・集中力の低下や記憶力の減退
・朝起きたときの頭痛や喉の渇き
・夜間の頻尿
・高血圧や心疾患のリスク増加
これらの症状は、無呼吸による酸素不足が原因となり、長期的には脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めると考えられています。
〇歯科医院での診断と治療方法
歯科医院では、睡眠時無呼吸症候群の可能性を判断するために、以下のような診断や治療が行われます。
・問診とスクリーニング検査
まずは、睡眠中の症状や生活習慣について詳しく問診を行います。また、顎の形状や舌の位置を確認し、気道が狭くなっているかを評価します。
・スリープスプリントによる治療
軽度から中等度の睡眠時無呼吸症候群の患者様には、スリープスプリント(マウスピース)が有効です。これは、睡眠中に下顎をわずかに前方に出すことで気道を確保し、無呼吸やいびきを軽減する装置です。スリープスプリントは、睡眠時に気道を広げ、呼吸をスムーズにするほか、睡眠の質を向上させ、日中の眠気を軽減します。
〇まとめ
いびきは睡眠時無呼吸症候群の重要なサインであり、放置すると深刻な健康問題につながる可能性があります。そのため、早期発見が重要です。早めの診断と適切な対策を取ることで、健康な生活を取り戻すことができます。
気になる症状が続くようであれば西原ひだまり歯科までお気軽にご相談ください。
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