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義歯(入れ歯)における金具(クラスプ)の役割について ~見た目が悪いのに何故必要なのか~
部分義歯で金具(クラスプ)が付いているものを、「クラスプ義歯」と呼びます。金属のクラスプは審美性の悪さがデメリットではありますが、そもそもなぜクラスプが必要なのかご存じでしょうか。今回は、義歯のクラスプの必要性についてお話ししていきます。
〇クラスプ義歯とは
クラスプ義歯は「人工歯」と歯茎に当たる部分の「義歯床」、そして留め具である「クラスプ」からできています。保険診療の場合、人工歯と義歯床はプラスチック(レジン)でクラスプは金属と指定されています。メリットは、保険適応されるため費用の負担が軽減できる点で、デメリットとしては、使用できる素材や製作工程が決まっていることで、フィット感や審美性に限度がある点などが挙げられます。残っている歯が1本でもあれば製作することが可能です。
〇クラスプの必要性
クラスプは義歯をしっかりと固定するために必要な装置です。義歯を支えるための歯(支台歯)にクラスプをかけることで、義歯をしっかりと支えます。義歯を安定させるためには「維持」「支持」「把持」の3つの要素が大切と言われており、残存歯や口腔内の状態に合わせて製作をしていきます。
・維持
義歯が外れない状況を作ることを指します。義歯がすぐに外れてしまうと食事が取り辛い、会話がし辛いといったトラブルが起こりやすく、生活の質の低下にも繋がります。このようなことを防ぐために、残存歯の数や口腔の状態に合わせたクラスプを支台歯にかけ、しっかりと義歯を維持します。
・支持
入れ歯が沈まないことを指します。義歯は歯茎の上に乗せるので、噛むことで少し沈んでしまうという現象が起こります。義歯が沈むことで、歯茎に負担がかかり、痛みが生じることがあるのです。対策としては、クラスプに「レスト」という小突起を付けることで、沈み込みを防ぐことができます。クラスプやレストが正しく位置していることも重要です。
・把持
義歯が揺れないということを指します。食事や会話のたびに義歯が動いてしまうと、痛みや違和感を感じる原因となってしまいます。義歯を把持するためには、クラスプや義歯全体を調整することで安定感を取り戻すことができます。義歯は完成したらそれで一生使えるわけではなく、慣れるまでに少し時間がかかったり、定期的に調整や作り直しが必要になったりすることをご承知おきください。
〇まとめ
義歯におけるクラスプの役割について紹介しました。クラスプには、部分義歯を支えるという重要な役割があることをおわかりいただけたと思います。義歯について気になることがある場合は、西原ひだまり歯科までお気軽にご相談ください。
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